BLEACH - 後を追うもの

梨音
追いかけて追いかけて 追いついてなお、その姿を追う

『泣くなよ。桃』

目を閉じて、最初に思い出すのは大切な幼なじみの姿だった。

何時も笑っているくせに、妙なところで涙脆い。そんな姿を見ていられなくて、俺は話しかけたんだ。

『だって、シロちゃんのことを馬鹿にするんだもん。だから悔しくて』

泣きながら話す雛森は、悪口を言われる俺を庇ったらしく、逆に泣かされたらしい。

『お前が言い返すなよ』

俺が言い返したかった。悪口を言われるのは慣れていた。高い霊力も、この銀髪も、すべてが人の怒りを買った。

『雛森を護りたい』

口には出さないものの、ずっと思っていた。



「死神、か」

今の俺は、十番隊隊長という肩書きを得ている。見上げた空は、あの頃のように綺麗だった。

「隊長〜。雛森が呼んでますよ〜」

声の方を向くと、書類に目を向けず、現世の本を読んでいる松本。お茶を飲みながら本を読む姿に怒りを覚えつつ、俺は雛森を中に入れた。

「何の用だ?」

ソファに座って、対する雛森は目の前にチョコンと座っている。

「駄目じゃないですか〜。久しぶりに雛森に会えて嬉しいからって、そんな言い方じゃ〜」

お茶を持ってきた後、松本は「お邪魔虫は退散します」と言って執務室を出て行った。当然、サボりだから仕事を増やし給料は減らす。

「・・・・・」

長い沈黙が続く。この沈黙の間の空気が痛い。

「懐かしいね。二人でいるの」

先に沈黙を破ったのは雛森。その声は何処か穏かで安心できた。

「そうだな」

お互い、姿も階級も違う。隊長と副隊長。軽いようで思い関係。それが重く俺に突き刺さる。

俺は、雛森を護る為に死神になった。護られるだけじゃいけない。護る存在にならなきゃいけない。

大切な幼なじみを護りたい。俺はその一心で嫌いだった死神になった。

「私ね、日番谷君が隊長になった時、少しだけ悲しかった。私は日番谷君を護るために死神になったのに、簡単に日番谷君に追い抜かれて、護るべき存在から護られる存在になったの」

俺の気持ちを知ってか知らずか、雛森は淡々と話し出す。

護りたかったのは俺も一緒。


俺が隊長になった時、雛森はすでに副隊長になっていた。

雛森を護る為には雛森よりも強くならなきゃいけない。

隊長という地位になった俺は、雛森に追いついた。だけど雛森も走っている。


俺はどれほど追いついても雛森を追い続ける



後書き

私が出したかったのは、恋愛感情で好きだから護りたいとか、幼なじみとして好きだから護りたいとか、そんなのじゃなく、大切だから護りたいという事を表わしたかったのです。
分かりませんよね?
盗り合えず、言葉に出来ない思いと思ってください。実際にそうですから。

この小説について

タイトル 後を追うもの
初版 2006年8月23日
改訂 2006年8月23日
小説ID 874
閲覧数 1300
合計★ 2
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コメント (2)

★シェリングフォード コメントのみ 2006年8月24日 12時11分46秒
 BLEACHは僕は知ってるんでこの話は理解できたんですが、知らない人だと何がなんだか分からない作品になってしまったんじゃないかと思います。BLEACH用の小説サイトに出すのなら大丈夫なんですが、こういういろんな作品が集まる場所では説明が不足していたと思います。
弓射り 2006年8月25日 22時08分15秒
うおっ、またジャンプ二次ですか。次はハンタがくるかな。
それともジャガー? わくわく(・∀・ )

とまぁ、こっからはまじめに。あとがきで「わたしは〜と表したかった」というのは
作品中で全部出せなかった、文で表現できなかったと言ってるようなものです。
作品の補足説明ならともかく、核となる部分ですから、おっしゃらない方がよろしいですし、人が作品から受けるイメージをあとがきで限定するというのも作品自体の評価を著しく下げるので、次からは避けられた方が無難でしょう。

二次創作をオールジャンルサイトで出す場合、シェリングさんのおっしゃっている事は重要な問題ですので、次回以降の投稿での梨音さんの何らかの反応を期待したいところです。
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