記憶 - 記憶…―寂しがり屋の記憶―

今回は寂しがり屋の記憶の中。
愛してほしい、そばにいてほしい、そんなこと思っていた人間の記憶の中へ…


私は明るい場所にいた。とても体が軽くてふわふわした感じだ。
ここは…どこだろう…そんなことを思いながらあたりを見まわすとそこには私のお気に入りだったぬいぐるみが立っていた。首に赤いリボンをつけて、少しボロボロだけど触るとふわふわなウサギのぬいぐるみ。
小さい頃はいつもこのぬいぐるみに話しかけていたなぁ…
寂しい時にいつも一緒にいてくれた…大切な、大切な私のぬいぐるみ…。

「久しぶり、君は僕のことを覚えているかい?」

ぬいぐるみが喋った。私は意外にもそんなに驚くことはなかった。むしろ…嬉しかった。だって私の友達が喋ってくれたんだもの

「えぇ、もちろん!覚えているわ!だって友達でしょう?」

「あぁ、友達だとも」

ぬいぐるみはゆっくりと頷いた。

「でも…君は僕を忘れてしまっただろう?」

私は不思議に思った。覚えてなきゃこんな話はできない、と私はぬいぐるみに問いかけた。

「覚えてなきゃあなたとは話さないわ、なぜそんなことを言うの?」

「そんなの簡単さ、ここは君の記憶の中、記憶の中じゃ覚えているかもしれないけど現実に戻れば忘れてしまう…」

私は驚いた。

「そんな…なんで忘れてしまうの?」

「それも簡単さ、君は記憶に関する夢を見たが内容が思い出せないってことはないかい?」

「えぇ、あるわ」

「それと一緒さ…だから君は僕のことを忘れてしまう。わかるだろう?」

私はこんないい夢忘れるわけがないと思った。だって久しぶりにこんなに心地良い夢を見たのだから。

「そんなことないわ!だってあなたとお話しできる素晴らしい夢だもの、忘れるはずがないわ!」

ぬいぐるみは悲しい顔をして言った。

「君がそう言っても…忘れてしまうんだ…この夢はそう作られている…だから必ず忘れてしまうんだ…」

「なんで?私は忘れたくないわ!」

「でも運命には逆らえない…そうだ…ゆっくりお茶でもしようじゃないか、この記憶という名の夢の中で存分に話し合って昔のことをなつかしもう」

そうぬいぐるみが言うとぬいぐるみはゆっくり歩きだした。
私は後を追うようについていった。

「ねぇ、どこへ向かうの?」

私は問いかけた。

「お茶をする場所さ、お茶会を開いて遊ぶのが君の好きな遊びだっただろう?」

「えぇ、よくあなたと一緒にお茶していたわね」

私はクスリと笑った。

「ほら…ここでお茶をしようじゃないか、また昔のように」

そこに広がる風景はまさに小さい頃よくお茶会をしていた家の庭だった。綺麗な緑色の芝生。可愛らしいおもちゃのティーセット。一本そびえ立つ木にぶら下がったブランコ。心地よく吹くそよ風。私の記憶そのものがそこに広がっていた。

「どうだい?懐かしいだろう」

「とても…懐かしいわ…私の記憶そのものが…目の前にあるんだもの…」

私の心の中には過去に戻れた嬉しさと…不思議なさみしさがいた。

「さぁ…座って」

私はぬいぐるみに言われた通り小さな椅子に腰を下ろした。とても小さな椅子だった…けれど座っているととても落ち着ける椅子だった。

「ここでなんのお話をするの?」

私はぬいぐるみに問いかけた。

「なぁに、そんな難しい話じゃないさ、ただ昔のことを話して懐かしむだけさ」

「ふーん、楽しそうね」

私は微笑んだ。

「まずは君が生まれた時について話そうか」

「あなたは私の生まれた時のことを知っているの?」

「あぁ、勿論、僕は君が生まれる前からいたからね」

「へぇ〜、じゃあ私が生まれる前について話してほしいわ」

「勿論いいとも、あれを見て?」

ぬいぐるみの指す所には一本そびえ立つ木に父と母が微笑ましそうな顔で映っていた。

「これは君のお父さんとお母さんだよ、わかるかい?」

「えぇ、勿論よ、とても嬉しそうだわ…あと、お母さんのお腹が大きい、あの中に私がいたの?」

「そうだよ、あの中に君がいた、次は君が生まれた時だ」

そう言うと今度は病院のベッドで母が嬉しそうに赤ん坊を抱いていた。

「これが私?赤ん坊の私ってあんなに小さかったのね」

「ははっ赤ん坊のころは誰だって小さいよ」

「この頃は君は元気に泣いていたよ、でも夜泣きが激しくてね、君のお母さんもお父さんも苦労していたよ」

「そうなの…?悪いことをしちゃったのね…」

「そんなことないさ、夜泣きの激しい赤ん坊なんて沢山いるさ、次は君が5才くらいの時」

そこには元気な笑顔を輝かせている女の子がぬいぐるみを抱きながら庭を走っていた。

「私が元気よく走ってるわ」

「あぁ、そうだね、この頃の君はとても元気のいい女の子だったよ、でもこの頃は好き嫌いが激しかったかな」

「あら、そうなのね」

「でも素直でよい子だったよ、次は110才くらいの時」

女の子が一人、部屋でぬいぐるみを抱いて泣いているのが映っていた。

「これは…お父さんとお母さんが離婚しちゃった頃ね…あと…いじめられていた…」

「そうとも…よく僕を抱きしめて泣いていたね…」

「そうね…私を慰めてくれるのはあなただけだったもの。勿論今でもそうよ」

「そうかい?そう言ってもらえると嬉しいよ、次が最後…15才、今の君だ」

そう言うと私が映っていた。まぎれもない私。お父さんと喧嘩していた。

「今はお父さんと喧嘩ばかりしているわ…」

「そうだね…でも君はお父さんの事を心から嫌っているかい?」

「そんなはずないわ、私の事が嫌いなのはお父さんの方だもの…」

私は寂しくて悲しい気持ちになった。

「ほんとうかい?だったらこれを見てみるといいよ」

ぬいぐるみは手紙を一通私に手渡した。そこには父の名が書かれていた。

「これは君のお父さんの記憶の一部さ、読んでみるといいよ」

「えぇ、わかったわ」

私は読んでみることにした。

私は…また娘にかっとなってしまった。妻と離婚してからだ…
娘はいつも悲しそうな顔をしていた…私が怒るといっそう悲しい顔をして部屋に入っていく娘には…どうか幸せになってほしい、今が悲しくても…乗り越えてほしい。

そう書かれていた。
私は自然と涙が出てきた、ぼろぼろと大粒の涙が…。

「これを読んで…何か感じたことはあるかい?

「とても…悲しい気持ちになったわ…あと…温かい気持ちにもなった…」

「そうか…なら僕は役目を果たしたね…」

「えっ?…どういうこと?」

「僕はお父さんと君が喧嘩しているのを見て辛くなったんだ、だから君にお父さんの気持ちを知ってほしかった…これで僕の役目は終わった…君はこれからきっと沢山幸せになる。君の寂しがり屋な部分を分かってくれる人が現れる…君に…幸あれ…」

そう言い残すと消えてしまった…

私は目が覚めた…涙を流していた…どんな夢を見たっけ…思い出せない…けど…温かい気持ちは心の中にしっかりと残っていた。

後書き

はい!こんな感じですね…下手ですいません、今後もこの記憶シリーズは書いていこうと思います!

この小説について

タイトル 記憶…―寂しがり屋の記憶―
初版 2017年5月13日
改訂 2017年5月13日
小説ID 4937
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ゲスト
作家名 ★音無
作家ID 1085
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コメント (2)

弓射り コメントのみ 2017年5月13日 9時10分23秒
初心者がダブル連載作品はきついと思う。
前の異世界に行くラノベよりは、こっちのほうが好き。

下手か上手か、つまらないか面白いか(より正確にはあなたが面白い小説を書ける人か否か)、才能があるかないかって、量書かなきゃ判断できないと思いますよ。まだそういうシビアなことを他人に求めるのはやめて、保留にしときましょう。

ひとつ、この作品でとっつきやすい改善点があるとすれば、「ぬいぐるみ」がキーワードなのに、どんなぬいぐるみなのかわからない事。書いているあなたの中にハッキリしたイメージがなくて、適当に書いてるかんじがする。

どんなキャラのぬいぐるみかは読者にゆだねても良いけど、例えば古くて汚れてるとか、タグの部分がちぎれちゃってる、耳は糸がほつれてたり、抱いたときにほっぺたに当たると気持ちいい、とか。なにかこう、ありありと実在感を感じるくらい書いて良いのでは。
★青樹 凛音 2017年5月13日 17時44分11秒
おー、一人称小説ですね。
簡単にアドバイスすると、一人称では「主人公の見えないものは書いてはいけない」と言う点が一番大事です。要はカメラが常に主人公の「目」の位置、例えこの先に「違う視点で書きたい!」となっても、カメラの位置を移動させた瞬間に作品が死にますのでご注意を。

なので「風景からの暗示」「セリフ回し」「無理のない構成」
この3点に気を付けると良いかもです。
後は文章の整理力ですね。下に作品の中より例文を。

「そこに広がる風景はまさに小さい頃よくお茶会をしていた家の庭だった。綺麗な緑色の芝生。可愛らしいおもちゃのティーセット。一本そびえ立つ木にぶら下がったブランコ。心地よく吹くそよ風。私の記憶そのものがそこに広がっていた。」

これでも良いのですが、私なら次のように整理します。
「そこに広がる風景、綺麗な緑色の芝生と可愛らしいおもちゃのティーセット、それはまさに小さい頃よくお茶会をしていた家の庭だった。私の記憶そのもの、木にぶら下がったブランコと心地良いそよ風も」

「綺麗な緑色」「可愛らしいおもちゃのティーセット」
は読者が想像しやすいからで、その後に「小さい頃お茶会をしていた家の庭」の方がイメージしやすいからです。
まずは文章を読みやすくするために自分の文章と戦ってみることをおすすめします。ではではー
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